山根亜希子のFXがよくわかる

山根亜希子のFXがよく分かる

第4回:金利をちゃんと理解しよう その12008年1月21日

今回から2回に渡って金利についてお話します。

前回のコラムで、FXの通貨選びの際に金利を考慮に入れる人が多いというお話をしました。実際にFXを始めると色々な国の金利が気になってきます。株取引では金利についてあまり理解がなくても問題なく銘柄選びができますが、FX取引ではとても重要な要素になってくるためです。

ではなぜ、FX取引ではそれほど金利が重要なのでしょうか。
まずは金利の上下変動についてからお話を始めたいと思います。

国によって金利は異なるものですが、どの国においても、金利の上下変動は景気に大きく関係しています。

好景気では物価は上昇傾向になりますが、好景気の流れからバブル懸念などが出てくると、政府は景気加熱感を冷やすために金利引き上げ政策を行い、金融の引き締めを行います。

金利が上がるということは、銀行などの利息が高くなるということですから、企業は銀行からの資金調達を抑えて、設備投資などを控えるようになります。同時に、不動産購入など銀行からの借り入れが必要なものは利息が高くなるため、個人の消費活動も動きが鈍くなります。
その結果、今度は市場でのお金の流通が停滞し、景気が落ち込んでいきます。

景気が悪くなってくると、みんながお金を借りやすくなるように中央銀行は金利を引き下げ、金融緩和政策に転じます。このように、各国政府による金利の引き上げ・引き下げ政策は、景気と物価のバランスを取るために行われるものなのです。

面白いことに、金利政策というのは、頻繁に上げたり下げたりという動きにはなりにくく、一度、引き上げられると、そのまま上げ続けられます。一方、引き下げ時も同じように下げ続けられ、一方向に動く場合が多いのです。
そして、こうした中長期の金利政策がお金の流れを変える働きをして、徐々に景気に影響を及ぼしていくのです。

つまり、基本的に高金利の国は景気がいいか、もしくはインフレを抑えるために金利を引き上げているということになりますし、逆に、低金利の国は、景気が悪くなっているということになるのです。

お金を借りる場合は誰でも「できるだけ安い金利でお金を借りたい」と考えます。逆にお金を運用する場合は「できるだけ高い金利がつく商品で運用したい」と考えます。
ですからFX取引初心者の方でも、直感的に「好景気の国の通貨を取引したほうがよい」というイメージはつきやすいと思います。

昨今のFX取引の人気は、実は日本円が長期にわたって低金利だったことにも理由があります。

日本の円だけで運用する場合は、高金利な金融商品がないために、預金でも国債でも金利は1%程度です。それは、日本の金利がそれくらいしかないからです。

ところがFXは外貨と外貨の取引です。
景気がよくて年利が10%を超える高金利の国もあれば、日本のように景気が悪くなって低金利政策を執っている国もあります。

“スワップ”が2つの通貨の金利差であることを知っている人は容易に理解できるかと思いますが、FX取引では、外貨と外貨の金利差でスワップポイント(金利差収益)を得ることができます。つまり、金利差の大きい2通貨を運用すれば、利益を出しても損益を出しても、その分の金利が上乗せされてくるということなのです。

だからこそ、FX取引では金利がとても重要になってくるのです。

スワップポイントは、通貨ペアの金利差が大きいか小さいかで受け取りや支払いの額が大きく変わってきます。金利差の大きい通貨ペアでは、スワップポイントの受け取りも多いのですが、支払いも多くなります。

これはどういうことかというと、FXの取引では、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買う場合なら、スワップは受け取りになりますが、逆に金利の高い通貨を売って金利の低い通貨を買った場合は、スワップは支払いになるということです。

例えばNZドルと円の場合、金利差は8%近くありますが、当然、スワップポイントがもらえるNZドル/円の「買い」の取引から始める人が多くなります。

NZドル/円の取引を年利で見ると、「買い」の場合は8.25%−0.5%=7.75%のスワップ(金利)を受け取れます。一方、「売り」の場合は0.5%−8.25%=-7.75%のスワップ(金利)支払いになるわけです。
ですから、1年という長期でNZドルを売るようなポジションを保有し続けると、スワップの支払いだけでもかなりの金額になってしまいます。

FXで注意することは、スワップの支払いが多いような取引は短期で決済するということです。反対に、スワップが受け取れる取引なら、長期で保有すれば毎日確実にスワップの受け取りがあり、大きなメリットとなるのです。

もちろん為替の値動きがあるので、金利だけを考えて外貨の取引をするのは危険です。とはいえ、金利はFX取引をする上で無視することができない要素といえるのです。

次回は、金利の上げ下げの動きによって通貨の強弱のバランスが変わってくるというお話をします。

≪次回予告≫
金利をちゃんと理解しよう その2
山根亜希子
1973年大阪生まれ
京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科卒
サイエンスライターとして6年間東京勤務(文部科学省記者クラブ所属)
科学技術関連の記事の執筆などを行う。
その後、大阪に戻り失業中にFXを始める。
現在、(有)ユビキタストレーディング代表。
趣味はアロマテラピー、海外旅行

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