山根亜希子のFXがよくわかる
上手に使えば便利なレバレッジ
第7回:上手に使えば便利なレバレッジ2008年3月3日
FX取引の一番のリスクはレバレッジだと言われています。
レバレッジとは、証拠金の何倍の金額で外貨を取引するか、という倍率のことです。
例えば、1ドルが105円のときに1万ドル購入しようと思った場合、必要な証拠金は105円×1万(ドル)=105万円になります。このときのレバレッジは1倍です。
FX取引ではこのレバレッジの倍率を高めることで、少ない資金での取引が可能となります。例えばレバレッジを2倍にしたら、1ドル105円のとき1万ドル購入するのに必要な証拠金は105万円の1/2の52万5,000円となります。
このように、実際に売買している外貨を円換算した金額よりも、少ない証拠金で取引している場合は、取引している外貨の金額÷証拠金(上記の例だと1万ドル÷52万5000円=2)で、倍率であるレバレッジが計算できます。
このレバレッジは各FX会社で上限を決めているため、数値が異なります。例えばレバレッジ10倍の会社では、上限が10倍までとなるので、1倍から10倍までの間でレバレッジをコントロールできます。レバレッジ100倍という会社であれば、1倍〜100倍までの間で、レバレッジをかけられるということです。
少ない証拠金で大きな取引ができるというのは、前回もお伝えした通り、FX取引の大きな魅力です。ですが、FX初心者が失敗するのも、このレバレッジによる場合が多いのです。それは、レバレッジがどの様な影響をもたらすのかをきちんと把握できていない場合の多いことが原因です。
仮に1ドル105円のときにレバレッジ2倍で1万ドルを購入したとします。レバレッジが2倍なので証拠金は52万5,000円です。ここで相場が1円下がり、104円になると、1円×1万ドル=1万円の含み損ですので、証拠金は51万5,000円となります。
もしレバレッジを100倍にしていたら、証拠金は1万500円で済みますが、1円下がった時点で証拠金は、500円になり強制決済となります。
※実際には必要証拠金や強制決済(ロスカット)のタイミングが、各FX会社で異なります。
つまり、レバレッジは高く設定すればするほど、少ない証拠金で取引が可能になりますが、強制決済に合う可能性も高くなるのです。
レバレッジの影響は、相場が緩やかな動きを見せている場合はわかりにくいのですが、相場が予想をはずれて動き始めたりすると、とんでもない勢いで含み損が増えていってしまったり、気がついた時には損失が大きくなりすぎて、怖くて損失を確定することすらできなくなってしまうのです。
私も最初はレバレッジのことを全く考えずに取引をしていました。大きな暴落にあって始めてレバレッジの怖さを知ったのです。そのときは、たった1日であっという間に損失が膨らんで、数日後にあっけなく強制決済にあいました。また、24時間相場が動いているFX市場だけに、朝、目が覚めてパソコンの画面を見ると、とんでもない損失に驚くなんていうこともありました。
そんな経験を繰り返す内に、レバレッジを10倍以上にすると急激な相場変動に対応できなくなるということを覚え、それからは出張に行っても影響がでない程度にレバレッジを下げるようにしました。
車でもスピードを出しすぎると怖くなって制御不能になりますよね。しっかりとハンドルを握っていても、道が曲がりくねってくるとハンドルをどう操っていいのかわからなくなって、事故へとつながっていくものです。天気がよくて視界がクリアなら問題ないかもしれませんが、大雨で台風になったり、雪が積もっている道になると、かなりの運転テクニックがある人以外は、徐行運転で速度を落とさないと危険です。
FXのレバレッジも同じようなものです。テクニックがあって、どんな相場状況でも慣れている人は良いのですが、初めて相場に立ち向かう人が、いきなり10倍以上のレバレッジをかけて取引するのは、免許とりたての人が高速で100キロ以上で運転するようなものです。
まずはレバレッジが3倍程度で追加証拠金の心配などがないようにしないと危険です。レバレッジ3倍程度は徐行運転、5倍程度が通常運転、10倍以上は高速運転、100倍ともなるとF1レーサー並みの運転技術がいると考えるとわかりやすいでしょう。
相場も07年夏以降のサブプライムショックからは乱高下が激しくなっており、天候は吹雪の日もあるというような状況です。こんな相場状況で“レバレッジを強気できかせて一攫千金”というのはかなり無謀、レバレッジは低くして売買するのが無難です。
そうは言っても、少ない証拠金で大きな取引をできるのがFXの魅力。
例えば、少額しか証拠金として投資できないなら、レバレッジを高くして勝負するという方法もあります。そんなときは、損切りさえきちんと管理しておけば、損失も予測の範囲内ですし、多少、強気な取引も可能となるでしょう。
また、確実に相場の方向が予測できるという自信があれば、勝負に出ることもできます。そんなときは、利益が出たらすぐに確定することが大切です。いつまでもポジションを持ちっぱなしにしていると、今度は損失が膨らむ可能性が出てくるからです。レバレッジを高くしたら、短期決戦でさっさと利益をとる、というのがコツですね。
大きな損失を負わないためにも、レバレッジを高くするときは、こまめに相場を確認すること、今、自分の含み損がいくらで、強制決済までどのくらいの余裕があるのか、きちんと管理することが重要です。
もし初心者の方で、レバレッジを高くして取引したい場合は、余剰資金の10万円〜20万円以内に限定して試してみるのが良いと思います。
- ≪次回予告≫
- 損切り機能を使ってリスクヘッジ
- 山根亜希子
- 1973年大阪生まれ
- 京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科卒
- サイエンスライターとして6年間東京勤務(文部科学省記者クラブ所属)
- 科学技術関連の記事の執筆などを行う。
- その後、大阪に戻り失業中にFXを始める。
- 現在、(有)ユビキタストレーディング代表。
- 趣味はアロマテラピー、海外旅行
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