山根亜希子のFXがよくわかる
山根亜希子流・ニュースの目のつけどころ
第9回 : 山根亜希子流・ニュースの目のつけどころ2008年4月8日
FX取引をする人も株の取引をする人と同じようにニュースに気をつけています。特に最近ではニュースの内容によって相場が乱高下することも多いので、注意してチェックする必要があります。
ニュースの内容で重要なことは、そのニュースによって今後の景気に大きく影響が出るのかどうかという点です。
一般的に、株よりも為替の方が、相場が数年サイクルをきれいに描くと言われていますが、FX相場は、あるニュースや出来事をきっかけに流れが大きく方向転換することがよくあるのです。最近では07年の8月に起こったサブプライム・ショックがそれに当たります。
サブプライム・ショックでは一時的に金融不安が起こり、それまで過剰に売られていた円の買い戻しが起こり、急激な円高をもたらしました。そしてこの8月の急激な円高が、その後のFX相場の流れを変え始めています。
サブプライム・ショックの影響が顕著に出たのがクロス円通貨(米ドル以外の通貨と円のペア)の取引です。クロス円通貨は、米ドルと外貨のレートに米ドルと円のレートを掛け合わせて計算されるために、ドル/円のレートが下がり、円高・ドル安となると、つられてクロス円も下がるのです。
実はクロス円は、01年辺りから長期に渡って上昇相場が続いておりました。01年というとニューヨークで悲惨なテロが起こった年です。テロにより、それまで米国に集まっていたお金が欧州やオセアニアなどにシフトしていく流れに変わったために、クロス円の上昇相場が起こったと考えられています。
その01年から長期で続いていたクロス円の上昇相場の高値が、サブプライム・ショックにより少しずつ切り下がり始めています。こうした状況から、そろそろ転換期を迎えるのではないかという見方も出てきています。
FX相場は、このような社会的・経済的なニュースによって大きく変わることもあれば、人為的に為替レートを修正する動きが出ることもあります。例えばサミットなどがそれにあたります。
サミットなどで、行き過ぎた為替レートを是正することが、世界経済にとって必要と判断されれば、各国が協調して為替の介入を実施することがあります。実際、この様なケースは過去に何度もありました。
有名な実例としては、1985年のプラザ合意です。この時は、意図的に円高・ドル安になるように政治的な合意がありました。ドル高が続き日本から米国への輸出が活性化され続けると、米国の貿易赤字は膨らみます。つまりプラザ合意は日米の貿易不均衡を解消するために、貿易赤字の米国を救うような政策だったと見ることもできるわけです。もちろん、米国が深刻な経済的ダメージを受けると、日本やその他の国もマイナスの影響を強く受けるので、世界経済にとって必要だったとも言えるかと思います。
こうした事例からも分かるように、世界的な経済動向の変化が顕著になった時や、行き過ぎたお金の流れが逆流するような動きになった時、大きなFX相場の方向転換が起こるわけです。
FX取引において、大きな相場の流れをつかむためのニュースはとても重要ですが、他にも注目されているニュースがいくつかあります。例えば、毎月第一金曜日に発表される『米・雇用統計』などは、デイトレーダーに注目されます。
『米・雇用統計』はアメリカの失業率や非農業者部門の雇用状況(就業者数)の増減を翌月に発表する指標となり、雇用状況が良いか悪いかで、相場に影響が出ます。また、事前予想よりも悪ければドルが売られ、良ければドルが買われるといった動きが発表直後に起こるため、短時間で稼ぎたいデイトレーダーはこのタイミングを狙ったりするのです。
他にも各国のGDP(国内総生産)や住宅関連の指標、消費者マインドを表す指標、政策金利などにも注目が集まります。こうした指標に関するニュースは、全て予想と大きく異なった(サプライズ)時に相場が動きます。
わたしの場合、最近ではやはり、サブプライム・ショックに関するニュースに気をつけています。ドル/円相場も100円割れという状況になりましたので、連鎖的に他の国も影響を受け、下がってくる通貨が出てきてもおかしくない状況だからです。
また、個人的には中長期の動きをとらえるためにニュースを利用することが多く、短期の動きはチャートを参考にすることが多いですね。
- ≪次回予告≫
- 為替レートの見方
- 山根亜希子
- 1973年大阪生まれ
- 京都工芸繊維大学繊維学部高分子学科卒
- サイエンスライターとして6年間東京勤務(文部科学省記者クラブ所属)
- 科学技術関連の記事の執筆などを行う。
- その後、大阪に戻り失業中にFXを始める。
- 現在、(有)ユビキタストレーディング代表。
- 趣味はアロマテラピー、海外旅行
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